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評価済核データ 評価済核データファイルがどのようなものかは、以下のURLに入るとよい。 http://wwwndc.jaea.go.jp/jendl/j40/J40_J.html このサイトの詳細は、ここを見てもらいたい。Cs-133の(n,γ)断面積はこんなものですよと、絵を描いてくれる。
絵を眺めても、これでどうしろというのか。数値もダウンロードできるが数万行の数表になる。いい加減にしろと言いたくなるのはよくわかる。このデータは、原子炉物理の非常に高度で複雑なコンピュータプログラムの入力データの大本である。石油で言うと原油というところか。 原油も火力で生炊きして、そのまま使うこともあるが、たいがい、精製してガソリンや軽油などにしないと使い物にならない。同様に、評価済核データも、加工しないと使い物にならない。石油の精製も大変な作業である。評価済核データの加工も素人手に負えるものではないが、レベルを落とせば素人でもなんとかなる。 評価済核データの数値データをダウンロードし、中性子束の数値データと掛け合わせればよいかと思う人もいるかもしれないが、そんな甘いものではない。何故、甘いかを説明するには、説明しだすと今の分量の100倍くらいになりかねない。 大規模な評価済核データと高度かつ複雑なコンピュータプログラムを用いると、Cs-134の生成量などは実測値と比べて下手糞でも数％程度の精度で求めることができる。超専門家になると、数％でもどこか間違いがないか、計算過程をチエックしかねない。そんなバカなと思われるかもしれないが、間違いが重なって正しい結果になっていないかを恐れる。発表して、後で間違いに気づくと、引っ込みがつかなくなるからである。 ここを見る人たちは、原子力で飯を食おうとは思っていないだろうから、そこまでやる必要は全く無い。精度は粗くてよいから、自分達のできるレベルでそこそこの結果を出せればよいのである。 原子炉の中性子束を見ると、低エネルギー（熱領域）、中間部（減速領域）、高エネルギー（核分裂）の３つに分けられることがわかる。評価済核データは、この３つの領域に分けた編集もしてある。例えば、 http://wwwndc.jaea.go.jp/cgi-bin/Tab80WWW.cgi?/data/JENDL/JENDL-3.3prc/intern/Cs133.intern このURLに入ると、
このような表を入手できる。Cs-133の(n,γ)断面積の熱領域の断面積は、Captureと書かれた行のMaxwellian Averageと書かれた列の値29.08(b)となりそうだが、注にあるように、これに 減速領域はRsonance Integralと書かれた列の値396.2[b]、高速領域はFiss.Spec.Averageと書かれた列の値51.847(mb)となる。bとは面積の単位でバーン(10の-24乗c㎡)である。ｍｂはミリバーン。 このサイトの詳細は。ここを参照してもらいたい。 これらの値は、無限希釈断面積と言われるもので、濃度が極めて薄い問題にしか使えない。原子炉の臨界問題には、原則使ってはいけないものである。Cs-133、Cs-134は、数年炉心にあった燃料でも、ウランの1万分の1程度しか生成されないので、極めて薄いともいえるので、使える可能性はある。また、原子力を専門としていない人たちが、自力で利用できるものは無限希釈断面積程度であるから、手足を動かして、ということになれば、無限希釈断面積を使わざるをえない。 無限希釈熱領域（熱中性子）、減速領域（熱外中性子）、核分裂領域（高速中性子）での平均断面積が入手できることがわかったので、次は低速（熱領域）、中速（減速領域）、高速（核分裂領域）での中性子束がわかれば(n,γ)反応率はおおよそ見積もることができる。中性子束は、原子炉の状態で変るので、断面積のように一つに特定できないが、熱中性子炉に限定すればおおよその値を決めることはできる。 このように、高速(1)、熱外(2)、低速(3)の3つにグループ化したものを三群構造といい、三群中性子束、三群中性子断面積と言う。 |
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