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偉人達 時代錯誤（アナクロニズムから、ここに来た人達は、アクセスを間違ったと思うかもしれないが、そうではないのでご心配なく。 19世紀後半、電気産業黎明期には多くの天才的偉人や巨人を輩出した。代表的なものでも、エジソン、テスラ、ウエスチングハウス、スタインメッツといった人達があげられる。 彼らの共通点は、系統的な教育を受けていないか、受けていてもその教育内容とは離れたところで実績を出していることである。その代表的なものがエジソンである。彼は、小学校する満足に出ていなかったと言われている。彼らは、今でいう学習障害児であったのであろう。 電気工学、特に回路理論の特徴として、直感で回路の状態が分かる人がいることである。私のようなボンクラは方程式を解かないとわからない。 私が中学生のとき、同級生で、ハムの免許を取得したり、アンプやラジオを設計・自作する変わり者がいた。回路図を見ると、インピーダンスがわかるのである。この分野は、系統的な教育を受けなくても実績が出しやすい分野なのかもしれない。 このような経歴が誇張された結果、敗者復活戦の成功例として引用され、若いときに自堕落な生活を送る放蕩者の言い訳にも利用される。これが極端になると、専門家よりも素人の方が信頼できることの根拠にもされる。ここまでくると、典型的なアナクロニズムである。 彼らは、当時の「専門家」である大学教授等と比べると「素人」であったろうが、「専門家」が及びも付かない業績を上げている。「素人」は「専門家」に勝ると思いたくなるが、「素人」、「専門家」の色分けは無関係で、単に彼らが有能であったにすぎない。 無能な「専門家」は、「専門家」だから信頼できないのではなく、無能であるから信頼できないのである。「素人」も無能であれば、無能な「専門家」よりも信頼できないのは当然である。エジソンのような有能な「素人」が目立つのと同様に、無能な「専門家」も目立つ。そうなると、いつのまにか「素人」は優秀で、「専門家」は無能であると命題が入れ替わってくる。これこそアナクロニズムである。 低線量被曝の害を言い立てる人達にその傾向が強い。女子高校生を国会の参考人として利用し、子供（素人）の真摯な疑問を演じさせる。この子は有能な可能性は高い。もしかすると、エジソンやウエスチングハウスなみなのかもしれないが、本当に有能かどうかは未知数である。 それなら、低放射能被曝の害を研究するための基礎知識をつけさせることが優先で、国会参考人に呼び出してスポイルさせかねないことをするのは、理解に苦しむ。子どもの将来が心配と言いながら、この子の将来を潰しかねないことを平然としてやっている。 これと類似した件として、2004年のイラク日本人人質事件がある。誘拐された日本人の中に劣化ウラン弾の害を調査していた18歳の男性がいた。 劣化ウラン弾の害に興味を持つこと自体は全く問題ないが、イラクで現地調査するには、放射能に関する基礎知識をつける必要があり、１８歳ではやらなければならないことが山のようにある。イラクに行く暇など無いはずである。 本人は若年者であるから、その事情を認識できないのはわかるが、周囲がそのことを説明しイラク行きを断念させられないのは、常識ではありえないことである。むしろ、周囲が焚きつけたとしか思えない。その子の母親がTVのインタービューで全く悪びれるところがなかったことを覚えている。 10代で、低線量被曝や劣化ウラン弾の害に興味を持つこと自体は、その人の優秀性を示すものではあるが、だからといってエジソンほどに優秀であることは考えにくい。エジソンほどに優秀であれば、国会などには出てこない。流暢なプレゼンなどには興味を持たないはずである。 10代は感受性も高く、外部からの影響の刷り込みも大きい。基礎教育もなしに、10代の1年間で受けた刷り込みや影響は、それを取り除くのに10年ほどかかる。本人が、マジメであればあるほど、時間がかかる。そのようなリスク（リスクではなく本当の危険）を犯してまで駆り出す連中の気がしれない。無能な「素人」たちである。 |