核爆発の効果 臨界にさせるのも簡単ではないが、こんなに簡単に核爆発をおこせるのであれば、マンハッタン計画従事者は発狂しかねない。また、北朝鮮やイランの核兵器開発者は、身の危険を感じるであろう。これまで、よくもたばかっていたな、ということである。あまりにも非現実的な話なので、福島第一では核兵器の開発を密かに進めていたといった話もチラホラしている。仮に、核兵器の開発をしていたとしたら、電源喪失など起こすはずもないし、想定外の大津波に備えて、高さ１００ｍくらいの堤防を築くのではないか。10年後くらい、世の中が平穏になったときに、サスペンス小説のネタにするのであれば結構なことである。 一笑に付したいところであるが、最近、またこの話が蒸し返されている。しかも保安院や原子力専門の独立行政法人のOBで、原子炉の専門家と思われている人からである。何故か、東電もこのような話に正式に対応せざるをえないようである。これでは電気料金の値上げに踏み切らざるをえないだろう。原子力賠償の対象者は、このようなヨタ話には対応しないように、東電には強く要請しないといけない。そうしないと、余計な作業が発生して、本当に必要な賠償金支払い作業に支障がでかねない。
本当に死んでいるはずのことについて、説明する。Ｎ個の中性子を点線源と仮定すると、半径ｒ[ｍ]の球面での１平方センチメートルあたりの中性子の数は
核分裂中性子の平均エネルギーは２ＭｅＶなので、実効線量は、
1F-3の水素爆発は約１トンの水素が燃焼したと聞いている。水素１ｋｇの発熱量は１２０．１２[メガジュール]なので水素１トンの発熱量は、
原爆なので１核分裂あたりの発生エネルギーを１８０［ＭｅＶ］と仮定 核分裂数＝ これは、100%のウラン235にしろプルトニウム239にしろ1.6ｇ程度が核分裂したにすぎない。臨界質量に程遠いので、天地がひっくり返ってもこの核爆発などおこらない。 原理的には全くありえないことではあるが、1.6ｇのウランなりプルトニウムが核爆発したとしよう。核分裂と同数の中性子が発生したとする。すなわち、
となる。ｒ＝１，１００，２００，３００，５００，１０００［ｍ］での実効線量を求める。爆発であるし、画像を見ても爆発に要した時間は、どんなに長めに見ても0.1秒以下であろう。仮に、0.1秒で中性子が放出されたとする。そうすると、皆になじみのあるμSv/時、mＳｖ/年に換算できる。
こういう数字を並べてもしようがない。現在は、1[mＳｖ/年]を問題にしているのに、まさに天文学的数字である。
Ｎ＝ これは、真空状態で遮蔽物が無い場合であるから、現実はもっと小さな被曝量になる。正確な見積もりは非常に難しい問題となる。しかし、規模としてはこのようなものだということは肝に銘じておくべきである。 他のエネルギー発生装置と同様に原発が危険なものであることに変わりないが、危険性を強調するあまり、軽率に核爆発説などもちだすのは如何なものか。しかも原子力の保安院での勤務経験があるものまで。これでは保安院の体質が問題視されるのも当然である。 再臨界に敏感になるのは、JCO事故の経験である。今の福島第一原発の状況で、再臨界になっても規模は小さく、公衆への影響は軽微なものにすぎないが、作業員に対する影響は軽微とは言い切れない。恐怖心は相当なものである。これでは威力業務妨害を問われかねない。 明確な科学的根拠があるのであれば、学界等で真剣に議論すべきことであるが、その様子もない。 こんなバカバカしい妄想を世間に流布する者は、原発推進派のスパイに違いない。反原発派は、異常者の集まりだということを宣伝する狙いに違いない。原発に反対する者としては、絶対に許せない連中である。 |
