Cs134/Cs137

９００Kでの平均断面積

中性子断面積の特徴として、低エネルギー部では、速さ（v）に反比例する傾向がある。速さ(v)は、エネルギーの平方根に比例するので、エネルギーの平方根に反比例する傾向がある。

左図のウラン235の核分裂、Cs-133とCs-134の(n,γ)断面積を示す。0.5[eV]以下では、傾きが－１／２の直線にのることがわかる。

対数－対数グラフであるから、傾き－１／２の直線はエネルギーの平方根の反比例の関係を表す。

左図の最下段に温度が300Kと900KのMaxwell分布を示す。これらの平均値は、それぞれのピークエネルギーの断面積の値に近いと考えられる。断面積の図の●と●が、それらに相当する。

直感的に平均断面積は温度の平方根に反比例するであろうことがわかる。

300K（0.025[eV]）の断面積をとすると、0.5[eV]以下（図中→）では、断面積を

で表すことができる。0.5[eV]以上は、１／ｖ形式ではないが、Maxwell分布の0.5[eV]以上の分布は非常に小さいので、0.5[eV]以上を１／ｖ形式と仮定しても結果はあまり変らない。そうすると、温度Tでの平均断面積は、下の式になる。

同様に、温度が300Kの平均断面積は下式になる。

これらの比をとると、

となり、温度900Kの平均断面積は、300Kの平均断面積の倍になることがわかる。